Q006
ホスピスと緩和ケアって何が違うの?
わかりやすく且つ的を得た即答ができません。
まず日本での状況を紹介しましょう。一般的には
ホスピス がん末期の人が入る病院・施設
緩和ケア がんの痛みをとること
と思っている人が多いという印象があります。一方医療者は
ホスピス ホスピス緩和ケア病棟のこと。がんの末期が対象。
緩和ケア がんの痛みをとることの他に、諸症状のコントロール、精神的、社会的、そしてスピリチュアルな問題に向き合い患者と家族のQOLを向上させること
として使っていると思います。意図してホスピスとは区別して緩和ケアを使う場合もあります。それは、『ホスピス=がんの終末期』という一般的なイメージがあるためで、『がんの終末期』と捉えて欲しくない時は、あえて緩和ケアを使ってソフト面の印象を出したいと考えた時です。
さて、ホスピスも緩和ケアも輸入品ですから、ホスピス先進国と言われているアメリカの概念を参照してみます。
ホスピスケア(Hospice care)とは、終末期にある患者と家族のQOLを向上させるためのケア、緩和ケアを達成させるために組織化されたプログラム。
分かったような分からないような。過大解釈すると、
「緩和ケア」というおいしい懐石料理を作るためのレシピとチーム連携が「ホスピスケア」である。
つまり、Aさんは椀物係、Bさんは煮物担当、Cさんは焼物担当、Dさんは・・・、と役割があり、それぞれの作り方にはちゃんとレシピがある。
ではどうでしょうか?ピントがずれていたらすいません。
ではそのおいしい料理である緩和ケア(palliative care)とは何でしょうか。2002年に発表されたWHOの定義を引用すると、
生命を脅かす疾患に起因した諸問題に直面している患者と家族のクオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチ。痛み、その他の身体的、心理的、スピリチュアルな諸問題の早期かつ確実な診断、早期治療によって苦しみの予防と苦しみからの解放を実現することを目標とする。
(後は省略します。興味のある方は下に原文を載せたので読んでみて下さい。)
あとNational
Hospice and Palliative Care Organization のサイト に、緩和ケアとホスピスケアの対比表がありましたので、それも参考にまとめると、現在ではこういうことではないかと思います。
ホスピスケアと緩和ケアの共通
がんの痛みをとること、諸症状のコントロール、精神的、社会的、そしてスピリチュアルな問題に向き合い患者と家族のQOLを向上させることを目的にしていること。さまざまな専門家が関わること。
ホスピス
終末期にある患者を対象に終末期のケアを行う。
(がんとは限らずあらゆる病気が対象となる。実際がん患者は50%程度といわれている。)
パッケージされたプログラム(民間の医療保険では違う場合がある)
がんの治療は含まれない
基本的に自宅
介護の要素も含まれる
緩和ケア
初期・終末期に関係ない
がんの治療をしながらでも受けることができる
受けられる期間は決まっていない
必ずしも終末期ケアに特化しているわけでもない
アメリカのホスピスケアは95%が在宅で提供されています。だから提供される側からしても、ホスピスがプログラムを指すというのがわかりやすいのだと思います。
今後日本で在宅での緩和ケアが増えてきたら言葉の印象も少し変わるかもしれませんね。
|