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大切な人に何をしたら癒してあげられる? 〜心理的ケアについて〜

触れて安心
大切な人の手を握ったり、身体をさすったり、抱きしめたりしていますか?
実践している人は少ないのではないでしょうか。スキンシップが苦手な日本人ですから仕方がありません。
単純に手を握ること体を撫でさすることが、病気の人に安心感と嬉しさを感じさせる効果があり、リラックスと癒しをもたらします。
ただ、今までスキンシップをしてきたならできるけど、いきなりではちょっと不自然ですよね。
そんな時は、マッサージをするとリラックスできて癒しになるんだよ(マッサージが癒しになるって本当?を参照)、と謳い簡単なマッサージをしてみてはいかがでしょうか。直接肌に触れるので慣れない間は手や腕からはじめるのがよいと思います。少し慣れてきたら足や顔なんかもいいですね。体のどの部分でもいいです。
マッサージはアロマテラピーを用いても用いなくてもOK。痛いところがないか強さの好みを聞いてマッサージして下さい。ここは押さないで、と医師から止められているところがないかも要チェックです。
ツボを押さなくてもやさしく身体をさするだけでも癒し効果はあります。皮膚をさする時すべりが悪い場合、アロマオイルやクリームですべりをよくするのもお奨め。がんの患者さんでは敏感に反応することがあるので、あまり長い時間はしません。

最期が近づいてきたときでも反応がなくても触れられる感覚は残っていると言われています。反応がなくても感じていると思って施してあげてください。

実は大切な人に触れることは、触れられる人にとってだけじゃなく、触れる人自身の癒しにもなります。
触れる時とても大切に思っている気持ち、少しでも苦痛を和らげたいという思いを手からリリースするようにイメージしながらして下さい。
マッサージは英国ホスピスではケアの一つとして実践されています。日本のホスピスでも実践するところが増えてきました。一度お試しあれ。

〜〜〜 マッサージが癒しになるって本当? 〜〜〜
マッサージ(マッサージとアロママッサージの両方をさす)が身体的・精神的苦痛あるいはQOLにどのような影響を及ぼすかを検討した全世界で報告された1322の論文をレビューしたものを紹介します(Fellowes D et al, Aromatherapy and massage for symptom relief in patients with cancer. Cochrane Database Syst Rev. 2004;(2):CD002287.)。

1322件の論文のうちもっとも信頼性が高い方法で行われた試験(randomized controlled trials)8件について、マッサージと身体的・精神的苦痛、あるいはマッサージとQOLとの関係を検討しています。8件の試験に参加したがん患者さんは合計357例です。その中で一番多く報告されたマッサージによる効果は不安に対するもので、さらに痛みの軽減、吐き気の軽減などが報告されているとのこと。この論文では短期的にはマッサージが精神的によい効果はあるけれども、さらなる長期大規模試験が必要であると締めくくっています。
マッサージがQOLの向上になるとは断定できませんが、ある程度の効果は期待できると思います。


音楽でリラックス
好きな音楽、リラックスできる音楽、クラシック音楽、ヒーリングミュージックなどなど、音楽を聴くのもいいでしょう。音楽療法はホスピス・緩和ケアで実践されているケアの一つです(音楽にどんな効果があるの?を参照)。

〜〜〜音楽にどんな効果があるの?〜〜〜
胃カメラや大腸ファイバーをする時、手術時に音楽をかけることによって、患者さんの不安感が減ると言われています。患者さんを落ち着かせるために音楽を用いるのを音楽療法といいます。そしてホスピス・緩和ケアでも音楽療法が取り入れられており、その癒し効果について多数の報告があります。
例えば80名の末期がん患者を対象に行った音楽療法のQOLへの効果の論文があります。(Hilliard RE., The effects of music therapy on the quality and length of life of people diagnosed with terminal cancer. J Music Ther. 2003 Summer;40(2):113-37. Links)音楽療法を取り入れた群は取り入れなかった群に比べ、QOLの向上が見られたとのこと。
ちなみに論文にはありませんでしたが、巷の噂ではモーツアルトがいいとか。一緒にクラシックなど聞いてみてはいかがでしょうか。


声掛け
聴覚は最期まで残っていると言われています。反応がなくても最期も変わらず声かけをして下さい。
大切な人のこれまでの人生をねぎらい、過去を否定しないで下さい。
全て許していることを伝え、感謝の気持ちを伝えて下さい。

心のこもった言葉をかけられれば、人は誰でも嬉しいものです。

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医師・看護師・薬剤師(石田有紀)の編著書


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