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大切な人に何をしたら癒してあげられる? 〜心理的ケアについて〜

言わないでほしい言葉

 とても大切に思っていても、とても心配していても、一つ言葉を掛け違えたら、その気持ちとは裏腹に相手を落ち込ませてしまうことがあります。

 そんなつもりはなかったのに・・・。

 できるならそんなことはあってほしくはないもの。

 患者さんが人の言葉にどう反応するのかを知ることはとても大切です。

 ここでは注意したい言葉の数々をお示ししたいと思います。

 すべての人に当てはまる訳ではありませんので、ご了承の上お読み下さい。

注意したい言葉

@【励ます言葉】

頑張って!

大丈夫。がんは治るんだから。

 今まで辛い治療に耐えて頑張ってきたけど、元気のない人を励ましたら、

 「歯を食いしばって、眠れない夜も越えて、辛くて辛くて、それでも必死に頑張ってきたのに、これ以上何を頑張れというのか??」

 「私の頑張りが足りないの!?」

 と落ち込んでしまうと聞きます。

 必死に突っ走って来た人が、疲れて立ち止まっているところに、もっと頑張れ、とはちょっときつい感じはしませんか?

 もう十分頑張ってきているのです。本人は辛くてたまりません。

 「よく頑張ってきたよね。辛かったよね。十分だよ。」

 の方がほっとしませんか?そう声を掛けると、

 「いやいやまだ頑張らないと!」

 と反対に思うかもしれません。


 励ましの言葉が適当なのは、頑張る意欲満点の人に対してだけ。

 誰かの応援があるともう人踏ん張り頑張れる余力のある人。

 例えば、受験勉強で成績の上がった人、仕事が面白くなりだした人、なんかじゃないでしょうか。

 ただがんの人でも誰かの応援が糧になる人がいます。そう確実に分かっている場合を除いて、励ましの言葉は避けた方がいいと思います。

A【ポジティブシンキング】

前向きにね。

暗く考えるとよくないよ。病は気からっていうでしょ。

治るってイメージするといいよ。

 検査では再発・転移は認められないけどそれを恐れている人に、暗く考えるなと言ったとしたら、

 「考えないようにしろと言われても、毎日再発と転移に怯えていて、どうにも払拭できない」

 「なんにもわかっちゃくれない」

 と孤独感を増すと言います。

 もちろん前向きに考えるのがいいことは本人もよく知っています。

 でも、咳がでたら肺転移を疑い、腰痛がでれば骨転移を疑うのです。

 どうやってその考えを変えたらいいのでしょうか。

 「それは不安だよね、不安になるのも仕方がないね、その気持ちわかる気がする」

 といってあげてはどうですか。暗い考えをすることを認めてくれる人がいる。

 それで少しほっとするかもしれません。


B【否定】

そんな事言わないで。

そんな話を聞くと辛くなるからやめて。

 辛い気持ち、耐えられない気持ちを誰かに知ってほしい。

 やっとの思いでその気持ちを吐き出したらそれを否定される。

 「私は弱音を吐いてはいけないのか?」

 と切なくなってしまいます。

 解決のない話なのは十分承知の上。でも1人で抱えるには大きすぎる。そばにいる家族にわかってもらいたい。でもそれもできない。

 それでは辛すぎます。

 できたら家族が受け止めれてあげれたらいいと思いますが、なかなかできないものですね。だって家族の辛くて仕方がないのですから。

全部してたら潰れちゃう

 とはいうものの上にあることを周りの人が全部守っていたら、今度はその人が潰れてしまうと思います。

 聴いている方も辛いです。

 子供にね、『そんな話をされたらこっちも辛くなるから、聴きたくない』って言われてね、何も言えなくなっちゃった。

 先生は『大丈夫、心配しないで、退院できるから』って言うだけ。

 先生は大丈夫だって、家族には聴きたくないって言われて・・・。

 そう辛そうに話しをしてくれた人がいました。

 誰にも思いのたけを話せない、その瞬間その人は孤独でした。

 聴きたくないのはわかります。子供さんも本人と同じように辛いと思っています。一方的に聴いてては子供さんも耐えられなくなります。

 そんな時患者さんを傾聴する人か、

 患者さんの話を聴いて辛くなった家族を、傾聴する人か、

 そのどちらかが必要です。家族だけでは抱えきれない辛い気持ちがあります。

 遠慮せずに外へ出した方がいいと思います。私(石田有紀)みたいに傾聴する人は探せば近くのどこかにいるはずです。傾聴士のような看板はあげてはいませんが。

 いなければカウンセラーでも躊躇うことなく利用しましょう。

 何よりも潰れないことが大切ですから。

 

 

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