| 一人暮らしで、家で終末期の緩和ケア(以下、在宅緩和ケア)を実践するのはかなり難しいことは事実です。
なぜなら在宅緩和ケアの一番の要である、プライマリーケアギバー(もっとも長時間そばにいて看護する中心人物)がいないから。
それは物理的にも精神的にも辛くなる、という可能性があります。
でも、絶対にできない?
いいえ。できた人もいるんです。だから「できる」という意見があります。でもそれは恵まれていたから、普通は「できない」という意見もあります。
それぞれの意見を考えてみましょう。
できないという意見
まずできないという意見。
在宅緩和ケアを受けようとした時に、最低限必要な要素は、
在宅緩和ケア医が往診にきてくれること。
訪問看護師がきてくれること。
訪問介護サービスが入ってくれること。
です。訪問に来てくれるからといって、訪問サービスだけで看護や介護が充足しているか、といえば違います。その不足を補うのがプライマリケアギバーなんですね。
しかも一人だと寂しい。寝たきりになったら誰が家事をするのか。
訪問介護の中には生活介護というサービスもありますが、基本的には半日や丸1日は来てくれません。
だから独居の人は病院に入院すべきという意見があります。
できるという意見
独居の人で在宅での看取りができた人は、まず完全看護が必要という状態ではなかったということが前提にあります。
そして毎日お友達が代わる代わるお見舞いに来てくれたそうです。たくさんお友達がいて、幸せですよね。
家族がいなくても心を支えてくれる人がいる、というのは、すばらしいことです。そして仲間がまだ亡くなっていなかったということ。高齢でお友達みんなが亡くなっていたら、達成できませんものね。
またギリギリまでペットを飼っていたそうです。
それから家事について。
貯金残高とにらめっこしながら、担当医に余命を問います。
今の貯金なら毎日家事サービスに来てもらったら、葬儀代を除いても2ヶ月は持つな。
だったらあと2ヶ月になるまではなんとか頑張ろう。
と、いよいよそのお知らせをいただいてから、家事サービスを申し込んだそうです。
そうやって自己管理と自己責任のもと、在宅で看取りができたケースがあります。
これって、一人暮らしだから、と括ってはいけません。
家族のライフスタイルが多様化する中で、例え家族と同居していても、一人暮らしとして考えた方が適切な場合もあるでしょう。
だからこういうケースはいろんな人が参考にできるのです。
家族に迷惑をかけたくないから。
そういって在宅での看取りを諦める人がなんとも多いことか。
だったら家族がいても心の支えにさえなってくれればいい。身の回りの世話はビジネスとしてサービスを受け取り、その対価を払う。
そういう発想の転換で臨めば、在宅での看取りを諦めなくてもいいかもしれません。
家族がいても一人暮らしで在宅ケア、という頭で考えると、家族とも円満にいくのかもしれません。
周りの社会資源や貯金と照らし合わせて、どんな風に過ごせるか、一度考えてはみませんか。 |